HIV/HCV重複感染した40代ゲイの医療記録と備忘録

HCVの治療時にHIV感染告知されて4年目のゲイ「たつ」の備忘録です。己の治療に関する経験や、ほんの少しの承認欲求を満たす雑記です。

HCVその3(2011〜2012年)HIV陽性判明

信頼出来る先生との出会い(2011)

さらに10年が経過した2011年、30台後半。インフルエンザにかかり近くの病院に行ったらAST・ALTの高値だったのを見たDr.が治療と専門医での診察を推奨。紹介状を書いてもらい日大で初診。紹介状に書いて有るDr.がたまたま休みか手術で外来に居ないので、変わりにS先生が診てくれました。今までの病歴を私なりに説明したところ、S先生いわく

  1. HCV治療は3剤併用療法SVRが70%〜89%まで上がってきている(※1)
  2. IFNの副作用は相変わらず20年前と同じ
  3. 数年以内にIFNフリーの経口薬のみで治療可能になりそう(※3)
  4. HCV 20年の放置期間と年齢を考えると早めの治療を推奨
  5. おそらく肝硬変初期なのでは???

と言われ本格的な入院検査を実施するまでは定期的に通院で血液検査と時間のかからない検査をすることに。何故かS先生は、不思議と今までの医療従事者不信が解けてきた人でした。

※1 3剤併用療法とは、Pegインターフェロン(PegIFN)とリバビリン(RBN)とテラプレビル(Telaprevir)を組み合わせた治療。テラプレビルはプロテアーゼ阻害剤(Protease Inhibitor)の1種で、抗HIV薬のノービア等と同じ作用をします(最近HIV治療にPIは使わないらしいですが)

※3 IFNフリーの経口薬はハーボニーやゾバルディのことで2014年に厚労省の認可が降りました。薬価が1錠=¥80,000するので大変高価な薬ですが12週でSVRは100%、なおかつIFNの様な副作用が全く無いらしいです。服用期間が12週なので¥80,000*12週*7日=¥672,000,000…3割負担でも200万円近くかかるので、HIV同様にHCV治療も行政からの支援が有ります。もしこれを読んでる方で過去にHCV治療が中断された方が居たら是非、肝臓の専門医を受診して下さい。 

C型肝炎画期的新薬登場!「ソバルディ」と「ハーボニー」とはどんな薬か(’15年10月改訂) | 千葉肝臓友の会

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余談ですが私は俗にいう遅咲きゲイでして、30過ぎで華やかなデビューを果たしました。HCVも確率は低いもののHIV同様に性交渉によって感染することを知っていたのでゴムは100%装着してました。…が遅咲きは狂い咲きの様な性活を送っていました。

 

定期通院で分かったこと(2012)

月に1度の外来と検査の結果は

  1. AST・ALT(昔でいうGOT・GPT)が400前後で高い
  2. 肝臓がん腫瘍マーカー(AFP)の値が少し疑わしい(※2)
  3. 超音波とMRIを見る限り肝肥大(肝臓自体が腫れている)と脂肪肝そしてうっすら影が
  4. 肝硬変の疑いは強いが肝生検してみるまで分からない
  5. 免疫グロブリンG(IgG)が高いけど原因が分からない(※5)

と言われ、肝生検したいので出来るだけ早めに入院検査を推奨となりました。AST・ALT高値は本人は自覚症状有りませんでしたがS先生いわく「身体だるくない?普通の人は立てないくらいグターっとなるんだけどなぁ…体力有り過ぎ!」と言われましたガラスのアラフォー舐めんなよ!?と思いながら聞いていたのを覚えています。またIgGの高値については自己免疫性肝炎が考えられるが更年期の女性に多いので考えにくいと言われました。

※2 AFPとは、胎児の血清中にみられるタンパクの一種で、出生後は消失しますが肝臓がんになると増加します。GOTやGPTなどの血液生化学検査とともに測定され、肝臓がんのスクリーニング(ふるいわけ)として用いられます。腫瘍マーカー AFP:肝臓がん・肝炎・肝硬変で高値を示します

※5 免疫グロブリンG(IgG)とは感染症、腫瘍、自己免疫性疾患を含むさまざまな抗体産生系の異常をきたす疾患のモニターに使用される値。

 

人生3回目の肝生検(2012)

2012年10月22日に検査入院。造影剤CT撮影を撮影し、翌日10月23日に、あの忌まわしい肝生検を実施し、ベッドで横になっていました。夕方になるとS先生と3人の知らないDr.4人でベッドに押しかけて来て「HIV検査の同意書※1」にサインを強請られ「明日、14:00から1時間程度空けておいて」と言われました。この時は、なんぞ物々しいな〜なんて思ってサインしましたが、まさかこれが術前検査のHIVスクリーニングが陽性*2で告知の前触れだなんて夢にも思ってませんでした

※1 HIV検査を行うにあたっては、基本的に患者本人の同意を取る必要があることが、平成5年の厚生労働省の通知で明示されています。

独立行政法人 国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター 医療機関で発見するHIV感染症/自立に向けた療養支援/HIV感染症治療におけるRFP/RBT使用上の注意

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※2 スクリーニング検査では偽陽性偽陰性(False Positive)には注意が必要で私の場合は、アルコール性肝炎、STDによる DNA ウイルス感染症が疑われました。

国立国際医療センター エイズ治療・研究開発センター

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このEntryをHIV告知 前日の日付2012-10-23とします。